こんにちは。インテリアコーディネーターのshioriです。
今回はお洒落なインテリア好きを語るのであれば知っておかなければいけない、名作と言われるチェアーを紹介していきます。
目次
ハイバックチェア
アール・ヌーヴォー期(1920~1930年代)におけるグラスゴー派の建築家、チャールズ・レニー・マッキントッシュの作品。
マッキントッシュの作品の多くはグラスゴーにあり、「グラスゴー・スクール・オブ・アート(グラスゴー美術学校)」と「ヒル・ハウス(住宅)」が代表的。そのヒル・ハウスの寝室のためにデザインされた。日本の格子にインスパイアされたデザイン。
この作品は飾りとしてデザイン性重視で作成されたものですが、本来ハイバックチェアはその背もたれの高さから間仕切りの代わりとして使うこともできます。ダイニングチェアとして使ってダイニングとリビングのゾーン分けをしたり、飲食店の通路側のチェアにハイバックチェアを使ったりすることも。
PP701アームチェア
北欧家具の4大巨匠のひとり、ハンス・J・ウェグナーが自邸のダイニングのためにデザインしたといわれるダイニングチェア。
1965年発表。引っ掛けアームと呼ばれ、テーブルに引っ掛けられるので掃除がしやすい機能的なデザイン。
NychairX(ニーチェアエックス)
1970年、日本人デザイナー新居 猛(にい・たけし)により作られて以来、世界各国で40年以上販売されています。折り畳み椅子となっており、場所を変えて使える機能的な椅子です。
LC1 スリングチェア(バスキュランチェア)
ル・コルビュジエと、彼の従兄弟のピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンとの共同デザイン。背もたれが姿勢に応じて動くのが特徴で、アームはフレームに厚革を掛けただけのシンプルな構造です。
チューリップチェア
1956年にアメリカのミッド・センチュリーの代表的デザイナーであるエーロ・サーリネンがデザインしたチェアです。
世界発の1本脚のチェア。バランスが取るのが難しいため実現が難しかった1本脚ですが、FRPのシェル構造のため強度が強く実現しました。
※ブランド:KNOLL(ノール)
スパニッシュチェア
1958年に発売された、ボーエ・モーエンセンの代表的な作品です。スペインの貴族たちが使っていた一枚革の木製椅子がモデル。幅広いアームレストはサイドテーブルとして利用することもできます。また、革が経年変化で伸びてきた場合には、背と座の裏にあるベルトで締めたり、革全体を交換することも可能。木部はオークの無垢材を使用しています。
※メーカー:フレデリシア
スーパーレッジェーラ
1957年イタリアのデザイナージオ・ポンティによってデザインされたアームレスチェア。トネリコ(ホワイトアッシュ)の木材の特徴の弾力と粘りがあり細くしても折れにくいという特性を生かし、重さ1700グラムという最も軽量な椅子です。その軽さは小指で持てるほど!発売から半世紀以上にわたって愛される不朽の名作です。
コノイドチェア
日系アメリカ人のデザイナーであるジョージ・ナカシマが1959年に発表・製造した木の椅子。木製ながらキャンチレバー(片持ち椅子)ならではシンプルでスタイリッシュなラインを実現。トネリコ(ホワイトアッシュ)とウォールナットを組み合わせています。
アルミナムグループチェア
1958年にアメリカのデザイナー夫妻、チャールズ&レイ・イームズによってデザインされたイームズアルミナムグループチェア。21世紀を迎えた現代のインテリア空間にもマッチする洗練されたデザインです。脚部分はアルミダイキャスト(鋳造)で作られています。グループというのはイームズチェアのアルミダイキャストのオフィス向けチェア群を指す。ラウンジチェア、エグゼクティブチェア、マネジメントチェア、オットマンなど様々あるうちの、この写真はラウンジチェア。アメリカの空港の多くはイームズチェアが設置されている。
ワシリーチェア
1925年、ドイツのデザイナー、マルセルブライヤーによって造られた世界初のパイプ椅子。この発表後に、ル・コルビジェやミース・ファンデル・ローエなどの世界の大物デザイナーがスチールパイプを使い始めたこともあり、デザイン界に大きな影響を与えました。
※ブランド:KNOLL(ノール)
LC2 グランコンフォール
グランコンフォールは、前述の流れを受け、スチールパイプを使った椅子です。ル・コルビュジェ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン3人の共同デザインで1928年に発表されました。黒革の椅子は建築物や映像内でもよく見かけることも多いのではないでしょうか。現在はカッシーナの版権が切れ、どのメーカーも同様のデザインのレプリカを作成出来ますが、従来のカッシーナ製を見分けるには左のアームの内側にル・コルビジェという刻印がされているかで確認できるそうです。
LC4 シェーズ・ロング
1929年、ル・コルビジェによって発表された寝椅子。体の線に合わせて綿密にデザインされた背のカーブと、弓形のパイプをずらすことによって寝る角度を自由に変えられます。
ダイヤモンドチェア
1950年代、 ハリー・ベルトイヤは金属彫刻家としての経験を生かし、成型合板ではなくスチールワイヤーによるシェル構造で椅子をデザインしました。
※ブランド:KNOLL(ノール)
バルセロナチェア
1929年のスペイン・バルセロナ博覧会でドイツ館の設計依頼を受けたミース・ファン・デル・ローエがスペイン国王アルフォンソ13世夫妻のためにオットマンと共にこのバルセロナチェアをデザインしました。 しかし、夫妻のお目にかかることはなかったとのこと。。フラットバー(角棒)で作られた代表的なデザイン。シンプルさの中にも豪華さを入れるためにボタン締めのデザインにしたそう。現在インテリアにもマッチする洗練されたデザインですね。
※ブランド:KNOLL(ノール)
PK22 イージーチェア
1956年、バルセロナチェアをフリッツ・ハンセンによってリ・デザインされたチェア。ステンレス製のフラットバーを使い強度をより強くよりシャープにグレードアップされました。
パントンチェア
1960年にデンマークのデザイナー、ヴェルナー・パントンによってデザインされたパントンチェア。ヴィトラ社と共同で量産のために開発されました。全ての構造をプラスチックの一体成型で作った世界はじめての椅子と言われ、美しさに実用性と強度、全てを備えたミッドセンチュリー期を代表する名作チェアです。 作成当初はFRP(強化プラスチック)で作成されたジグザグチェアの一体成型デザインです。
コロンボチェア
1965年、イタリアデザイナー、ジョエ・コロンボによってデザインされたクラシカルチェア。大人用サイズの射出一体成型チェアの先駆的作品としてデザイン史に名を残しています。軽くて曲げに強いポリプロピレン製チェアの代表的デザイン。スタッキングも可能です。
サッコ
このチェアは1968年に3人の若手デザイナートリオ ピエロ・ガッティ、チェーザレ・パオリーニ、フランコ・テオドーロによってデザインされました。 中身が発砲ビーズでできた形状自由な椅子で着座でも寝転んでも使えます。椅子と言えば脚があるものという概念を崩しました。
※ブランド:ザノッタ
エッグチェア
エッグチェアは、1958年にデンマーク コペンハーゲンのSASロイヤルホテルのロビーとレセプションエリアのためにアルネ・ヤコブセンがスワンチェアとともにデザインした名作チェアです。 横から見たときに体をすっぽりと包みこむ、まるで卵のようなカタチからエッグチェアと名付けられました。シェルは合成素材で作られており、硬質発泡ポリウレタンでパディングして成形されています。全て曲線で作られた美しいフォルムは当時としては新しく斬新なデザインでした。
※ブランド:フリッツハンセン
スワンチェア
スワンチェアは、1958年にデンマーク コペンハーゲンのSASロイヤルホテルのロビーとレセプションエリアのためにアルネ・ヤコブセンがエッグチェアとともにデザインした名作チェアです。このチェアは、白鳥が羽を広げて羽ばたこうとする姿を連想させるフォルムからスワンチェアと名付けられています。シェルは合成素材で作られており、硬質発泡ポリウレタンでパディングして成形されています。全て曲線で作られた美しいフォルムは当時としては新しく斬新なデザインでした。
※ブランド:フリッツハンセン
ドンナUP5
1969年、イタリアのデザイナー、ガエターノ・ペッシェによって造られたチェア。ウレタンクッションの特性を生かし、全てウレタンで作られた椅子です。当時は1/10に圧縮されて発売されていたそう。
※ブランド:B&B
アントチェア
1952年に発表された、20世紀史に残る名作アントチェア。 別名アリンコチェアと呼ばれ、座と背がつながった初の成型合板チェア。当初、3本脚のチェアとしてデザインされましたが、アルネ・ヤコブセン死後、安定性が考慮され4本脚のタイプが発売されました。
※ブランド:フリッツハンセン
セブンチェア
アントチェアの後継モデルとして1955年に発表されたセブンチェア。バタフライチェアの愛称も持っています。
※ブランド:フリッツハンセン
DCM
チャールズ&レイ・イームズが1946年にデザインした成型合板のダイニングチェア。
※ブランド:ハーマンミラー
イームズラウンジチェア
イームズの大ヒット作「ラウンジチェア」は、ほどよく傾斜した背もたれ、たっぷりとしたクッション、そして形成合板が特徴のラウンジチェアです。 ミッドセンチュリーの代表的なチェアです。
※ブランド:ハーマンミラー
バタフライスツール
1954年に発表された柳宗理の代表作。日本を代表するデザインとして、国内だけでなく海外でも高く評価されているスツール。日本の成型合板の代表作。
※メーカー:天童木工㈱
BKFチェア(バタフライチェア)
バタフライスツールと混同しやすい“バタフライチェア”と愛称を持つ「BKFチェア」は、1983年に3人のアルゼンチン人デザイナー(アントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、ホルヘ・フェラーリ=ハードイ)によってデザインされ、それぞれの頭文字をとってBKFチェアと名づけられました。
※ブランド:Cuero / クエロ 又はキュエロ
ムライスツール
ムライスツールは、1961年より始まった天童木工家具デザインコンクールの第1回佳作入賞作品です。村井麗子作。成型合板。どこから見ても同じ台形が見える。
※メーカー:天童木工㈱
低座椅子
低座椅子は1960年に長大作がデザインをした椅子。畳摺りがついた長大作の代表作。
※メーカー:天童木工㈱
スポークチェア
1963年、デザイナーの豊口克平氏自身が「自分が座りたい」とデザインしたイス。胡坐がかける椅子です。
※メーカー:天童木工㈱
コニャック
その名の通り、コニャックを注いだグラスの形状を想像させるデザインのチェアです。1967年にエーロ・アールニオによってデザインされ、エーロ・サーリネンのチューリップチェアにインスピレーションを受けた脚となっています。それにより空間を広く見せる効果があり、コーディネイトしやすいのも特徴です。
バランスチェア
「バランスチェア」は1970 年代の終わりに発表されました。 コンピュータ時代の幕開けと共に、時代の要請に応えるべくノルウェーのデザイナー、セラピスト、医者、学者等の各分野の専門家の頭脳の結集から開発された新しい「フォルム」です。背筋が自然に伸び、筋肉にも内臓にも負担をかけずに圧迫感のない自然なバランス。新しい健康を考えた人間工学の結晶です。
Yチェア
1950年、ハンス・J・ウェグナーデザインのYチェア。 やわらかな曲線やビーチ材の素材感は日本のインテリアにもよく馴染みます。国内輸入家具No.1のチェア。
レッドアンドブルーチェア
リートフェルトの家具デザイナー、職人としての作品。アート感覚の椅子です。この作品について必ず語られるのは、画家のピート・モンドリアンの抽象画との共通性で、家具においてはリートフェルト、絵画においてはモンドリアンが各々の分野で同じ思想を持って造形に携わったのが良く分かります。
ジグザグチェア
ヘーリット・トーマス・リートフェルトの1934年の作品です。木製のキャンティレバー(片持ち構造)。
ザ・チェア
北欧家具界の巨匠ハンス・J・ウェグナーの名を世に知らしめた最高傑作。1949年発表。数多くのウェグナーの作品の中で「最も完成度が高い」といわれる美しさで「椅子の中の椅子」という敬意を込めて「ザ・チェア」という愛称がつきました。 「ザ・チェア」と言う愛称の椅子は世界で唯一。北欧の代表にして、世界のチェアの中でも代表的存在です。当初はそのシンプル過ぎるデザインで醜いアヒルの子とも言われたそうですが、座り心地は抜群。ケネディも座ったと言われる椅子です。
※ブランド:PPモブラー
トリップトラップ
ピーター・オプスヴィックによる、独創的な北欧デザイン。成長に合わせて調節できる、座板と足のせ板。お子さまが大きくなっても使い続けられます。豊富なカラーバリエーションで、インテリアや好みに合わせた色を選べます。
※メーカー:STOKKE
いかがでしたでしょうか。最後までご覧いただきありがとうございます。ここに挙げたチェアは名作と呼ばれ、お部屋にひとつでも置いてあるとあっという間にお洒落上級者です。レプリカ品も多く出ておりますのでよく吟味してみてくださいね!